映像編集の負荷を半分に削減!【自動ワイプ編集FALCON】で働き方改革を促進
中京テレビ放送様の課題
放送局において、番組制作も重要な役割の一つ。
その中でも、素材をつないでいくカット編集やワイプ編集、エフェクト処理やテロップ付けなどにかかる負荷は大きく、まだまだ人の手がかかる業務と言われています。
中京テレビ放送様でも、バラエティ番組などで使われるワイプに関する編集作業に、多くの時間がかかってしまうことが課題として挙げられていました。
ワイプとは放送画面の一角に丸や四角い小窓を作り、その中にVTRを視聴している出演者の表情や動き、様子などをVTRに重ねて表示する手法です。
今までのワイプ編集では、出演者の動きに合わせて手動でワイプの枠を付け足す作業を行っていました。
出演者は動きが大きいため顔を追尾する枠を動かす幅も大きく、各出演者とワイプの枠との大きさの比率も目視で確認し、統一感が出るよう調整を行いながら編集をしていました。
このような形で1時間尺の番組を全て人の手で編集していたため、ワイプ編集には8時間ほどの時間を要していました。
こうした状況の中で、かねてから中京テレビ放送様の中で進めていたAI導入による働き方改革の流れもあり、編集作業をなるべく人の手を掛けずに進められないか、と試行錯誤されていました。
中京テレビ放送様と当社は、AI文字起こしなどで共同開発を行ってきた実績も決め手となり、「自動ワイプ編集FALCON」の開発について当社にお声がけいただきました。
開発時に注意したポイント
今回は上記の課題から、下記の4点に注力をして中京テレビ放送様と共同開発を進めて参りました。
・出演者の顔の位置をセンタリング
・各出演者のサイズが同じになるような自然な映像処理を実施
・放送基準を満たした高精細映像の自動加工
・フレーム単位での制御
導入効果について
そのような経緯を経て、中京テレビ放送様では、2023年1月から放送中の番組編集で運用開始されています。
実際の運用では、各出演者をスイッチし繋いでカット編集した映像をアプリに取り込み、センタリングに関する自動編集を行わせる形で編集をされています。
本アプリの導入により、丸1日(8時間)かかっていたワイプ編集の時間を50%削減することが可能となりました。
(1放送あたり4時間、年間で約200時間の編集時間を短縮)
今後の展望
最後に、ご担当者様からは、
『本アプリに関しては、さらなる業務改善のため、自動編集の精度を向上させていくことや、アプリの拡張、オプション機能の追加も検討しています。より詳細な解析による編集負荷の削減なども視野に入れて、放送業界のDX化を実現するためにユニゾンシステムズと様々な開発を継続していきたいと思っています。』とコメントをいただいております。